19
October
2017
昨今では獣医療分野においても動物に出来る限り負担をかけない治療が求められることが多くなっています。
当院では半導体レーザー機器(DVL-20 アスカメディカル社)を用いてレーザー治療を行っています。
レーザー治療の多くは低侵襲で行われるため動物への負担や痛みを軽減することができるため「動物に優しい治療」の選択肢になります。
当院では以下のレーザー治療に対応しております。
来院時に獣医師にご相談ください。
レーザー治療の例
☆止血切開
外科手術時の止血凝固や切開に用います。出血の低減や避妊去勢手術の縫合糸の低減に有用です。縫合糸を低減することで縫合糸反応性肉芽腫などの合併症を抑えることができます。当院でも避妊手術や去勢手術時に使用しています。
☆体表腫瘤の蒸散、切除
体表面にできた良性腫瘤(一般的にイボと呼ばれる)をレーザーにて蒸散することができます。ほとんどの場合には無麻酔で行うことができ、痛みを抑えて治療することができます。短時間で終わるため動物へのストレスも少なくなります。
☆疼痛軽減
椎間板ヘルニアや関節炎の疼痛軽減に用いることがあります。レーザーを照射することによって痛みと炎症の軽減を図ります。半導体レーザーは組織の内部に透過するため高いセラピー効果を期待できます。
☆歯周病、歯周炎の治療
歯周病や歯周炎の治療にもレーザーを用います。例として疼痛や食欲低下を伴う歯周炎に対して無麻酔でレーザーを照射したり、麻酔下歯石除去(スケーリング)時に歯周ポケットにレーザーを照射します。重度歯周病で食事が食べられない猫などにも適応になります。
☆創傷治癒、皮膚炎
レーザー照射することで創傷(術後治癒不全、治癒遅延を伴う外傷など)や皮膚炎(体表面や肢間の皮膚炎)の治癒促進を行います。
☆緑内障治療
急性緑内障や慢性緑内障に対しての眼圧低下手術(経強膜毛様体凝固術)に用います。本手術に関しては全身麻酔が必要になります。
☆がんの治療
レーザー治療は腫瘍の治療においても効果を発揮することがあります。がんの3大療法(手術、化学療法、放射線治療)を補ったり、その代替として行う補完代替療法に用いられます。また終末期のQOL(クオリティオブライフ)の維持を目的としたレーザーセラピーにも用いられます。
①ICG(インドシアニングリーン)を用いた腫瘍蒸散
腫瘍組織やその周囲に専用の色素であるICGを注射して外部からレーザーを照射します。これによって正常組織にダメージを与えず腫瘍組織のみをターゲットにして腫瘍組織の縮小退縮を期待します。外科手術の負担軽減や手術適応外の体表腫瘤にも適応になることがあります。
②ICG-lipo(ICGリポ)を用いた腫瘍組織への照射
抗がん剤に代表される化学療法は全身の副作用が大きな問題となります。本治療は特殊な加工を行った抗がん剤を投与して腫瘍部分にレーザーを照射することで全身の副作用を抑えたうえで腫瘍局所に抗がん剤を作用されることを目的としています。外科手術適応外の体表腫瘤にも適応になることがあり、レーザーは組織深部に到達するため肝臓などの体腔内腫瘍病変にも適応になることがあります。
③レーザーサーミア
腫瘍内部に専用のプローブを差し込んで腫瘍へ温熱療法を行います。これによって腫瘍の縮小退縮を期待します。動物によっては無麻酔無鎮静から鎮静下の状態で実施できます。全身麻酔をかけることができない動物に対しての治療の選択肢となります。
☆マイルドレーザーサーミア
出力調整したレーザーをモーターの回転によって分散させて外部から拡散照射します。これにより組織侵襲を最小に抑えて温熱療法を実施することができます。また体の免疫力を高めたり、食欲の改善なども期待できます。終末期の腫瘍性疾患や肝疾患、腎疾患にもQOL(クオリティオブライフ)の向上を目的として使用することができます。
※すべての動物にこれらの治療が適応できるわけではありません。来院時に獣医師にご相談ください。
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October
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